SKUプロジェクトを制するものが、楽天SEOを制す!

前回は「楽天市場のSEO対策の基本を徹底した商品登録の方法」をご紹介しました。この中で、楽天市場でSEO対策するには、楽天市場の商品登録を構成する各項目(ディレクトリID、タグIDなど)を押さえていくことが重要であると書きましたが、この楽天市場の商品登録の仕組みが2023年に一部仕様が変わります。それが、通称「SKUプロジェクト」です。

これまでにも楽天市場では、商品登録のガイドラインや仕様が変更されることがありましたが、今回もけっこう変わります。
では何が変わるのか?今回は、楽天出店したばかりの方や、楽天出店中だけども忙しくて、このSKUプロジェクトについて知らない方向けに一体何が変わるのか?出店者がするべきことは何なのか?ご紹介したいと思います。

「SKUプロジェクト」とは?

まず、この「SKUプロジェクト」とは、いったい何でしょうか?簡単にいうと、

今までは同じ商品でも、価格が違えば(例えばサイズ・量・オプションなどで価格が違う場合)、別の商品ページ(URL)であったが、これからは1つの商品ページ(URL)として、商品登録ができる。

という仕様変更になります。

これにより、ユーザーが1つの商品ページにアクセスすると、わざわざ別のページに遷移することなく、サイズ・量・オプションなどを選択して、購入することができます。
また、モール内の商品検索時点でも、ユーザーが希望しているサイズ・量・オプションなどをが見つけやすくなるつまり検索しやすくなる、という改善がされます。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す
楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

念のため、楽天市場公式マニュアルの表現を記載します。

┃SKUプロジェクトとは

楽天市場のユーザーから日々いただくご意見・ご要望の中で特に多く寄せられているのが「商品検索」に関する、「商品検索の際、サイズやカラー、重さ・容量などを指定しても思ったとおりの商品がヒットしない」などといった内容です。
当プロジェクトでは、上記背景にある楽天市場の見つけやすさの課題点(特に、楽天市場の検索が商品名や説明文などのテキスト情報に依存した検索方法となっている点)を解決し、より快適なお買い物体験の提供を目指します。

※SKU (Stock Keeping Unit) = 受発注や在庫管理をおこなう際の「最小の管理単位」を意味します

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

ひらたくいうと、まるでアマゾンのようなカートの見せ方になります。アマゾンだと、サイズ・カラー・オプションなどの選択肢が存在する商品にアクセスした場合、そこから希望の設定を選択して、価格が表示されます。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

(こう考えると、かなり早い段階でこの仕様(SKU仕様)にしていたアマゾンはすごいですね。。。)

ショップは必ず対応しないといけいないの?

では、このSKUプロジェクトでは、楽天に出店しているショップは強制的に対応しないといけないのでしょうか?

簡単にいうと、「差し迫って対応はしなくてもいいけど、楽天市場が推奨しているので、対応した方がいいですよ」という回答になります。

そうなんです。対応はしなくても大丈夫なんです。既にRMSに登録している商品は、システム移行時に楽天側にて、自動でSKUプロジェクト仕様に変更された商品設定になります

また、同じ商品だけど、サイズなどの価格違いで、別の商品ページで販売している場合、そのまま別のページのままで販売し続けてもいいですよ、ということになっています。(直接楽天市場のヘルプに聞きましたが、任意とのことです。)

ただし、これまでも、商品画像ガイドラインや、3980円送料無料ラインなど、商品登録の仕様やルールが変わってきた楽天市場ですが、基本的には、楽天の推奨する方法を取った方が検索などの条件で有利になりやすい(不利になりにくい)という結果が往々にして出ています。なので対応をすることをおすすめします。

また、もう1つ、対応するべき理由を紹介すると、既にRMSに登録している商品は、システム移行時に楽天側にて、自動でSKUプロジェクト仕様に変更された商品設定になりますが、この自動変換、ショップ側の項目選択肢在庫の設定の設定・運用次第では、ユーザー側での見え方が、少々不自然な見え方になるかもしれません。(ちょっと説明がわかりづらいかもですが、カート上での選択肢設定次第で、違和感を感じる表示になる可能性があります。くわしくは後述。)

SKUプロジェクトでやるべきことは?

このSKUプロジェクト、対応した方がいいとのことですが、具体的に何をすればいいのでしょうか。そのためには、具体的にRMSの商品登録画面がどのように変わるか見てみましょう。

RMSの商品登録画面がどのように変わるの?

まず商品登録時に、カラーや種類などのバリエーションがある場合、「項目選択肢別在庫」という名称で、在庫設定していましたが、SKUプロジェクトでは、「項目選択肢別在庫」という名称は消え、「バリエーション設定」という名称になります。ここで、カラーや量、オプションなどの設定ができ、価格違いの登録も個別に設定ができるようになります。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

ここで注意するべきことは、

1)移行後のカートの見え方を確認する。場合によっては修正をする。

既存の項目選択肢別在庫として登録している商品は、SKU情報に情報が自動で引き継がれます。カート上の表示が違和感がないか、確認する必要があります。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

2)「SKU画像」の登録及び、商品画像ガイドラインの適用拡大

SKUプロジェクトにより、1SKU単位で楽天市場の検索結果に載ってきます。これにより、「SKU画像」というものが必要になりました。
このSKU画像は、検索結果に載るため、商品画像ガイドラインの適用となります。なので、新たに、ガイドラインに沿ったSKU画像の用意が必要になります。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

3)タグIDが終了。代わりに「商品属性」が登場。必須と任意がある。

現在、商品のカテゴリーを指定する「ディレクトリID」とそれに連携した属性情報(カラーやサイズなど)を指定するタグIDというものがあります。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

この「タグID」がなくなり、「実際の値を入力する商品属性」というものに変わります。言葉でいうとややこしいので、下の画像をご覧ください。
なお、タグID時代はIDの入力自体は任意でした。しかし、SKUプロジェクトでは、「商品属性」の入力に、必須項目があります。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

この商品属性ですが、こちらも移行時にタグID時に入力していたものが、自動変換されて移行されるようですが、条件によっては、移行されないとのことです。(例えば、属性:カラーに対して、「赤」「青」「黒」など、複数の属性を選択していた場合など)
なにせよ、必須項目が出てきたので、こちらも対応が必要です。

2つの商品ページを1つにまとめるって何?

さて、ある程度、SKUプロジェクトを理解すると、ある疑問が生じます。
「楽天の推奨にしたがって、現在、複数に存在している価格違いの商品ページを一つにするってどういうこと?まとめたら、残ったページはどうなるのか?」
はい、そうなんです。一つのページにするってどういうこと?URLは変わるの?ってなりますよね。

異なる商品ページで販売しているSKUを1つの商品ページに集約して販売するためには、基本的には、残すページを1つ決めて、そのページにバリエーションを追加してまとめていく、という流れになります。下記の画像にあるように、AとBのページがあり、それをひとつにまとめる場合、Aにまとめていくという流れになります。そして、この余ったBページは、削除するか、倉庫入りにする必要があります。(別に残して表示してもいいですが、まとめた時点で不要になりますし、そもそも管理上、邪魔になると思います。)

※余ったページについてガイドラインが出ました
移行後の余った旧ページ(この例でいくと、ページB)ですが、なんと、同一商品複数登録の禁止に抵触するため、「注文ボタンをつけた状態」での公開はダメになりました。ただし、旧ページをブックマークしていたユーザー保護のため、SKU移行日以降の360日間は「注文ボタンをつけない状態」での公開とは可能となっています。

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

さて、ここでさらにある疑問が生じます。
「AとBにそれぞれたまっていた商品レビューはどうなるの?」
そうなんです。Bの商品レビューが無駄になるのでは?と思ってしまいますよね。

ここで楽天市場側から是正措置が提示されています。なんと、レビューの移管ができます

楽天市場のSKUプロジェクトを制するものが楽天SEOを制す

1ページへ集約した後、一定期間は店舗からの申請によってレビューを移管することが可能とのことです。手続きとしては、店舗にてページ統合後、楽天市場へレビュー移管の申請を行い、楽天市場側にて審査のうえでレビューを移管してくれるとのことです。(この「一定期間」ですが、2023年1月に発表されるとのことです。要チェックです。)

※レビュー移管の申請マニュアルが公開されています。
レビュー移管申請がRMSからできるようになっており、そのマニュアルが公開されています。(おそらく、SKU移行が始まった店舗から申請ページへのリンクが表示されると思います。)申請に関しては、ジャンルIDやカタログIDが一致しておくなど、条件が設定されています。マニュアルを確認の上、申請手続きしてください。

[SKUプロジェクト] 商品レビュー移行申請に関するマニュアル
https://navi-manual.faq.rakuten.net/item/000047423?l-id=ManualLeftNavi

まとめ

以上、SKUプロジェクトについて、内容とやるべきことをご紹介しました。

まずは、自社の移行時期を再確認して、スケジュールを組もう

既に楽天からメールがきており、RMS上でも、チェックする必要が出ているので、知らない人はいないかと思いますが、念のため。
このSKUプロジェクトは店舗毎に移行時期が決まっています。その以降時期については、楽天市場から「【重要】【SKUプロジェクト】移行予定時期確認のお願い(2023年●-●月)」という件名のメールがきていますので、それを確認しておきましょう。

おおよそ、2023年の春~夏にかけて予定されている店舗が多い印象です。商品数によりますが、商品数が多い店舗は、移行時期の1~2か月前ぐらいには、動き出していた方がいいかと思われます。

店舗として方針を決めて、準備する

あくまでも複数の商品ページに展開している商品をまとめる・まとめないは店舗の任意となっています。しかしながら、まとめていた方が、ユーザーの利便性も良くなりますし、結果、転換率が上がるチャンスにもなると思います。店舗としての対応の方針を決めて、商品ページをまとめるようであれば、対象となる商品の整理、SKU画像の作成や、商品属性の用意などしかるべき準備をしてスムーズに移行できるようにしましょう。

というわけで今回は楽天市場のSKUプロジェクトについてご紹介しました。SKUプロジェクトで、楽天内のSEO対策も間違いなく変わってきます。ぜひ事前に内容を把握して準備していきましょう。楽天市場の運営で、ご相談やお困りごとがございましたら、ネットショップ運営代行・コンサルティングのソノサキニンまでお気軽にご相談ください。最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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