ネットショップ制作代行・運営代行のソノサキニンの本木です。
早速ですが、楽天市場の出店料金の値上げ告知に続き、4月からは、楽天市場のクーポン有料化が実施されます。これは2023年の下期戦略共有会にて発表され、既に詳細の案内も出ています。
“楽天のクーポンシステムであるラ・クーポンシステムは今まで無料で利用できましたが、2024年3月末をもって無料キャンペーンを終了し、有料化へ”
「有料化」という言葉のインパクトが強いため、どのように変わり、どの程度のコストが発生するのか把握されていないショップさんも見受けられます。実はこの有料化、ショップによっては、ほとんど影響を受けないところもあります。
今回は、このクーポン有料化の内容について、かかるコストや影響について解説します。
目次
ラ・クーポンとは?
改めてラ・クーポンを簡単に説明します。
ラ・クーポンとは、新規ユーザーの獲得やユーザーのリピートなどに利用できる楽天のクーポンシステムです。ユーザーが楽天市場でお買い物をする際、クーポンを商品代金に割り当てて、代金を安くすることができます。
店舗が発行できるクーポンには2種類のクーポンがあります。
クーポン(配布型)
ページやメルマガから、ユーザーが自分で取得するクーポンです。また、商品ページにアクセスした際、利用できるクーポンが存在する場合、買い物カゴ付近にポップアップ表示されます。
サンキュークーポン(自動付与型)
商品の購入後、自動でクーポンを付与されます。主にリピーター・追加購入促進のためのクーポンです。
クーポン有料化の内容とは?
では、今回の有料化の内容を早速見ていきましょう。出店者向けに案内されているラ・クーポンに関する規約ガイドラインの改定の文章を引用します。
ラ・クーポン利用規約(出店者向け)※一部を抜粋
第4条第7項のシステム利用料は、会員のショップクーポン利用に対して、クーポン利用枚数1枚あたり50円(税抜き)とする。なおシステム利用料の支払い方法等についてはガイドライン等に定める。
※この利用料は、2024年4月1日以降適用されるものであり、甲は、出店規約第28条に定める手続により、かかる利用料率を変更することがあります。
※1ヶ月あたりの乙店舗における会員のショップクーポン利用枚数が50枚以下の場合は、システム利用料は発生しないものとします。51枚以上利用された場合は、50枚分を控除した会員のショップクーポン利用枚数分に対して、システム利用料を計算いたします。
※ショップクーポンが利用された受注の翌月末まではキャンセルを反映いたします。
※ショップクーポンのうち、「サンキュークーポン」については、引き続き無料期間中とします。(キャンペーン期間終了の際には、事前にご案内させていただきます)
※広告を伴うクーポンについては、一部請求対象から除外します。(詳細は店舗運営Naviに記載)
規約の文章なので、分かりづらいかと思いますので、わかりやすく説明すると下記の通りです。
1ヶ月間あたり、ショップが発行した配布型クーポンのうち、利用されたクーポン枚数が51枚から、1枚あたり50円(税抜)の利用料金がかかります。
ということです。つまり、
・1ヶ月間の利用枚数が50枚以内であれば無料。51枚目から有料です。
・有料の対象は「配布型」のクーポン。
・サンキュークーポン(自動付与型)は引き続き無料
・広告を伴うクーポンは一部無料(詳細は楽天に要確認)
ということです。どうでしょうか?思った以上に条件は緩いと思った方も多いかと思います。どれだけ配布しようと、獲得されようと関係ありません。実際にクーポンを使った注文のクーポン枚数が重要です。
実際に例を使ってご紹介します
配布型のクーポン1000枚配布した(1000枚分を作成した)
↓ ↓ ↓ ↓
ユーザー500人に獲得される(500枚が獲得された)
↓ ↓ ↓ ↓
そのうちの100人に利用されて注文が入る(100枚が利用された)
【計算式】
{ 利用枚数(100枚) – 控除枚数(50枚) } × 利用料金(50円/1件)
→ 50枚 × 50円(/1件) = 2500円(税抜) がシステム利用料となります。
実は無料のまま使える店舗が多い!?
大事なことなので、もう一度書きますが、どれだけ配布しようと、獲得されようと関係ありません。実際にクーポンを使った注文のクーポン枚数が重要です。
1ヶ月あたり、50枚以上のクーポンが利用されていないならば有料化の影響はゼロです。
今回のクーポン有料化は、「有料化」という言葉のインパクトが強いため、まるで全ての店舗が有料になってしまう印象ですが、実のところ、無料のまま使えるショップも多いのではないのでしょうか。
それを知るためには、まず今までのクーポンの利用数をチェックすることが重要です。
まずは今までのクーポン利用数をチェック!
今回のクーポン有料化が自店にとって影響があるかないかは、まず今までのクーポンの利用率・利用数を確認しましょう。
RMSの「クーポン(配布型) 管理画面」ページより、今まで配布したクーポンの利用数/獲得数を確認できるので、確認してみましょう。
それで、1ヶ月あたり、50枚利用されていないならば影響はゼロです。
もし利用枚数が50枚を超えているならば、有料化の影響が多少あるので、かかる費用を試算しましょう。そして必要に応じて、クーポンを使っている施策の見直しをしましょう。
必要であればクーポンを使っている施策の見直しをしよう!
配布型クーポンの使い方で、多いケースとしては、レビューのお礼にクーポンを配布する、また、自店舗の公式LINEと絡めて、ともだち追加のお礼に割引クーポンを配布するなどがよくあるパターンかと思います。
もし有料化の影響が大きいようであれば、対策としてたとえば、
・今まで配布型であったものを、自動付与型のサンキュークーポンに切り替えられるものは切り替える。
・レビューのお礼クーポンは、利用できる期間・金額など、クーポンの利用条件を変更する。
・レビューのお礼をクーポンではなく、プレゼントに切り替える。(プレゼントの原価や配送料・作業コストなど、発生するコストと比べて良いものであれば切り替える)
などの対策をして、有料化のコストに見合ったクーポン施策をしていきましょう。
まとめ
今回のクーポン有料化は、「有料化」という言葉のインパクトが強いため、まるで全ての店舗が有料になってしまう印象ですが、実のところ、無料のまま使えるショップも多いのではないのでしょうか。
それを知るためには、まず今までのクーポンの利用数をチェックすることが重要です。
また、楽天のラ・クーポンはショップ、ユーザーから支持を得ている機能のため、楽天市場自体が機能強化を進めていくとされています。ユーザー基本属性・購入履歴に基づいてセグメントができるユーザーセグメント機能の拡充、上限設定商品数の拡大、クーポン発行後の表示範囲の変更を可能にするといった機能強化を行う予定とされています。
いわゆるラ・クーポンのような「デジタルクーポン」の市場規模は全世界で伸びていますので、楽天も楽天経済圏を伸ばすうえで今後さらに力を入れていくことが間違いないので、しっかりキャッチアップしていきましょう。