ネットショップ運営代行・立ち上げ支援のソノサキニンの本木です。
前回の記事では楽天市場で広告を使って売上アップする方法について、基礎編として、初めてRPP広告を使ってみる方向けのRPP広告の始め方や申し込み方法、そして簡単な広告の効果検証もご紹介させていただきました。
今回は、RPP広告の費用対効果をより具体的に検証する方法についてご紹介します。実際に広告を使って、どれだけの売上があがったのか、どの商品にアクセスが集まっているのか、客観的に数字で広告の費用対効果を検証するための方法となります。
本編は、初めてRPP広告を使った方向けの広告の検証をする「実践編」です。
「1ヶ月試しにRPP広告を使ってみたけど、実際の効果を数字で知りたい」
「RPP広告のパフォーマンスレポートを見てみたが、結局よくわからない」
「RPP広告を続けたいが、より効率よく成果を出すようにするための判断材料がほしい」
というような方は、ぜひこちらの記事をご参考にください。
本記事でご紹介する広告検証用のエクセルツールも無料でご用意しています。
目次
「ROAS(ロアス)」をチェックしようと書いてあるけど、何なの?
RPP広告の費用対効果の検証するための項目として、「ROAS(ロアス)」をよく聞くと思います。RPP広告のパフォーマンスレポートでもROASの項目があります。しかしながら、このROASという指標はあまり役に立たない指標と思っています。
ただ、ROAS(ロアス)とは何なのか気になる方もいると思うので、念のため説明をします。
ROASとは?
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、利用した「広告費」に対しての「売り上げ」で広告の効果を検証するという指標です。
計算方法は、
売上 ÷ 広告費 × 100(%) = ROAS
例えば100万円の広告費に対して200万円の売上があったなら、ROASは、200万円÷100万円×100=200%という計算となります。この数字が大きければ大きいほど、広告の効果が高いとされています。
よく言われるのが、ROASの目標数値を決めて、それに向けてRPP広告を運用・改善してきましょう、ということです。しかしながら、さきほど書いたように、私自身はROASの数字自体はあまり役に立たない指標と思っています。
理由としては…
1.ROASの数値の検証するためには、そもそも広告経由による売上がある程度必要=そもそも売上が低い店舗(これからがんばる店舗)には意味がない
2.経営者としては、あくまでも「全体の売上」に占める「広告費(率)」を見ている。最終的に、店が黒字なのか?赤字でも黒字が見える赤字なのか?ということを把握したい。ROASの数値は、その判断材料になりにくい・わかりづらい。
以上、大きくこの2点があげられます。
楽天市場に出店している多くの零細店舗にとって、広告費とは、決して安くはない出店料を出したうえに、さらに出す費用となるため、本当に限られた貴重な予算となります。特に理由2の点については、経営者の方ならおわかりいただけるかと思います。
この貴重な広告予算の検証をROASでするには、どうしても不十分でしょう。
RPP広告の本当の検証方法とは?
さて今回の本題となるRPP広告の検証方法を説明します。RPP広告を運用するうえで把握しておくべきことは、以下の項目です。
・ショップ全体の売上額
・広告経由のアクセス数(=自然集客のアクセス数がわかる)
・ショップ全体の売上に占める広告費率
・RPP広告における各商品のアクセス数・転換率
これをできるだけ正確に、簡単に確認するためには、前回のブログ記事でご紹介した、RPP広告のパフォーマンスレポートをCSVでダウンロードする方法になります。
下記の記事後半にある「どの商品がどれだけのアクセスがあって、売上につながったのかを確認する方法」をご確認のうえ、RMSからパフォーマンスレポートをダウンロードしてください。
パフォーマンスレポートをダウンロードすると、下記のようなデータが出ます。
これだけと非常にわかりづらいため、当社が普段使用しているエクセルツールを使います。パフォーマンスレポートのCSVデータに専用エクセルの青色の行を差し込み、K列からU列を非表示にしましょう。
すると以下の通りの表示となります。「ショップ全体売上」の欄に、売上を入力すると、下の「広告費比率」が出ます。
パフォーマンスレポートのデフォルト値でダウンロードすると、項目が多いのと、商品別・全体で見ることができません。
当社のエクセルを差し込むことで、個別かつ、全体のデータを簡単に確認することができます。この表示にすることで、最初にお伝えしたRPP広告を運用するうえで把握しておくべきことが全て表示されます。
どの商品にどれだけアクセス数があり、売上につながっているか、広告経由の全体のアクセス数、そして、ショップ全体の売上に占める広告費の比率がわかります。
数字をもとに打ち手を考えよう
ここで、パフォーマンスレポートの数字をもとに広告の検証とそこからの打ち手を考えましょう。
商品別のクリック数を多い順にみてみましょう。おそらく、お店の売れ筋の順番通りに並んでいると思います。この中でクリック数(見ている人)が多いにも関わらず、売上がない、もしくは、少ない場合は、商品の改善が必要かもしれません。
価格・商品内容・商品ページの訴求・他店の比較などを行って、商品の改善を行いましょう。
また、左側に「CTR(%)」という項目があります。これは、RPP広告で自社の商品が表示された回数のうち、クリックされた回数の率のことです。広告表示回数が1,000回、クリック数が50回であれば、CTRは5%となります。
CTRが他の商品と比べて低い商品をチェックしましょう。
CTRが低い要因としては、いろいろありますが、改善する手段の一つにサムネイル画像の改善があります。
ユーザーがクリックしたくなるような(先を見たくなるような目立つ画像)にしてみましょう。また、サムネイルの下側に表示される商品名も目を引くような商品名にしましょう。特にスマートフォンでは、商品名の最初の約35文字が表示されるので、簡潔に伝わりやすい文章を先にもってくるようにしましょう。
広告の検証と打ち手の考え方については、ショップの商材・商品数などの特性にもよってもだいぶ変わってきてしまうため、今回は例として紹介しました。また別の記事にて詳しく紹介しますが、まずは上記の点を見てみることをおすすめします。
まとめ
今回は、RPP広告の検証について、実際に広告を通して、どれだけの売上があがったのか、どの商品にアクセスが集まっているのか、客観的に数字で広告の費用対効果を検証するための方法をご紹介しました。
1点気をつけていただきたいのが、RPP広告は一回だけ試してそれで良しあしを判断するのは、あまりよろしくないです。あくまでも売上に必要なアクセス人数を、自然集客だけでは足りないので、不足分を広告を使って集客させる。そして同時に水面下で自然集客の打ち手を考え、継続して実行していく。これにより、次第に売上に占める広告比率が下がり、最初は広告を使った有料集客のウエイトが大きかった状態が反転して、自然集客のウエイトが大きくなる。これが広告を使って集客を増やす王道の方法です。
ただ、打ち手を考えるためにも広告のデータの検証(定点観測)が必要ですので、ぜひ本記事を参考にしてチェックして頂ければと思います。今回ご紹介した検証用のエクセルデータをご希望の方は、下記の問い合わせフォームからその旨をご連絡いただけますでしょうか。(無料で共有させて頂きます。)
▼お問い合わせフォーム
https://share.hsforms.com/1tkre2nJ0TRW6wTb–OaajA5enh8
P.S.
もし、本ブログ記事をご覧いただいて、「ちょっと面倒だな…」「時間とれないな…」という方がおられましたら、当社までお気軽にご相談ください。当社では広告運用代行等も承っております。当社は、制作・運営代行~コンサルティングなど総合的なネットショップ支援やっております。単なる広告代行ではなく、お店全体の数字を見ながら、広告の予算設定やお店の改善点などもご提案できるECマーケティング会社になります。ぜひお気軽にご相談ください。最後までお読み頂きありがとうございました。