楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

2023年1月に開催された楽天新春カンファレンス。毎年カンファレンスでは、大きな発表がありますが、今回は、その中でも2024年から始まる「配送品質向上制度」について紹介します。

この制度、楽天市場に出店されている方は既にご存じかと思いますが、いろいろと物議を醸しだしています。リリース自体は2024年第2四半期を予定しているとのことですので、おそらく2024年7月にリリースかと思いますが、2020年に実施された「共通の送料込みライン」と同様に、大変インパクトのある施策かと思います。
今回はこの「配送品質向上制度」について、具体的な内容やSEO対策への影響等もふまえ解説します。もしまだ、ご存じでない方や、今から楽天に出店しようとしている方はぜひ参考にしていただければと思います。

「配送品質向上制度」とは?

早速ですが、この「配送品質向上制度」とは何なのか見ていきましょう。その名の通り、配送の品質を上げるための制度です。
ご存じの通り、昨今は消費者のネットショップに対する配送ニーズ(例:「受取タイミングの豊富さ」「受取方法の豊富さ」 「分かりやすさ」)が高まっています。
そこで楽天市場もモール全体として、配送の品質を底上げして、選ばれるモールにしてきましょう、という狙いです。

具体的の内容の一つを挙げるとすれば、楽天市場の認定基準を満たす商品に対し、「認定ラベル」を付与して、商品の検索結果画面や商品ページでそのラベルを表示する仕組みが登場します。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

アマゾンやヤフーで出店している方やお使いの方ならおわかりかと思いますが、アマゾンでいう「プライムマーク」、ヤフーでいう「優良配送マーク」のような制度になります。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

おそらく、楽天市場内の検索順位を決めるアルゴリズムでも、この「認定ラベル」が付与されているかどうかで影響が出てくるかと私は思います
実際、アマゾンでは、プライムマークがついている商品が、ヤフーでは、優良配送マークがついている商品が検索上で有利になっているためです

なお既に楽天市場には、配送サービスの一つに「あす楽」があります。Q&Aを見る限り、この「あす楽」は「配送品質向上制度」の一部に取り込まれると思われます。(この制度にリリースに伴い、最短のお届け可能日の表示機能等、もろもろの新機能がリリースされるため)

「認定ラベル」の付与条件とは?

そうなると、この「認定ラベル」を付与されるためには、どうすればいいのか?実はこれがけっこう難易度が高い条件となっています

まだ(案)の状況ではありますが、認定基準は、「店舗基準」と「商品基準」の2つから構成されます。この「店舗基準」と「商品基準」を共に満たす商品において、認定ラベルを表示する仕組みになっています。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

納期遵守率など、ちょっとわかりづらいですね。。。

このルールの最大のポイント、それは「常に」「365日」いつでも翌日お届け(午後の注文であれば翌々日お届け)する必要があるということです
そうです。「365日」なんです。年末年始関係ありません。つまり、365日営業・出荷作業をする必要があるということになります。
自社出荷しているネットショップさんや物流会社に預けている場合も、そこが土日祝休みの場合など、かなり無理があるルールとなっています。なので、楽天に出店している多くの店舗さんからは「対応できない」という声が出ています。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

この制度、つまるところ、楽天の物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」に商品を預けて、そこから出荷しましょう!という意味合いが強いです。楽天ロジにあずければ、365日自動出荷が可能になります。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

アマゾン対抗で作られられた制度です

実はこの配送品質制度のルールは、アマゾンに寄せたルールになっています。

楽天とアマゾンは、ここ数年ずっと、流通総額が拮抗しています。アマゾンは「FBA」(アマゾンの物流倉庫に商品を預けて自動出荷)という物流サービスを昔からはじめており、現在の流通規模を支える大きなサービスになっています。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

アマゾンの場合、FBA出荷すると、プライムマーク対象商品になります。
そして、アマゾンに預けない(FBAを利用しない)で自社で出荷する方法でプライムマークを付与されるためには、以下の条件が必要です。

・期日内配送 96%以上(予定日までに配送できた割合)
・追跡可能率 94%以上(お問い合わせ番号・追跡番号の入力率)
・出荷前キャンセル 1.0%未満
・「お急ぎ便」の提供(注文確定日から3日以内に商品を届ける)
・Amazonプライム会員に対して、無料で対象地域への通常配送・お急ぎ便を提供
・Amazonで追跡可能な配送業者を使用(ヤマト・日本郵便等)
・Amazonの返金・返品ポリシーにしたがった対応
・週末出荷の設定(土日の配送も必須)
・配送時間目標の目標値達成(お届け予定日までに配送)
・標準サイズ商品の全国配送(北海道・沖縄・離島をのぞきプライム配送に対応)
・トライアル期間をクリアする

※詳しくはアマゾンにてご確認ください。

このルールを見ての通り、楽天市場がこのアマゾンのルールを参考にしたのは間違いないでしょう。

楽天は、配送サービスを強く推していく

この「配送品質向上制度」、配送面でもアマゾンに負けない品質にして、ユーザーに選ばれるモールにしたいという狙いで、楽天市場側はかなり力を入れると思います

ちなみに2020年のアマゾンのプレスリリースにて、アマゾンに出店している約16万社の中小規模の販売事業者様のうち、8万社以上が「FBA」を活用していると発表しています。単純に割り算すると、出店者の50%がFBAを利用している計算になります
一方で、楽天市場は、2023年1月のカンファレンスでの発表では、楽天ロジの利用店舗数が6000店舗越えということでした。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

増えてきたといえども、まだ、出店者全体の10%弱という状況です。おそらく、楽天側としては、出店者全体の50%以上が楽天ロジを利用するぐらいの勢いでこの制度を推進していくのではないかと思っています。

こんな状況だからこそ、自社の「強み」を磨こう

今回は、配送品質向上制度について紹介しましたが、この制度のように、モールに出店していると新たな仕様変更や新機能が次々と登場します。そして、これらの新しいルールにて適応できれば、モール内での競争に有利になり、適応できなければ、不利になってしまうこともでてくるでしょう。だからといって、全部が全部を対応するのは、無理があると思います。取捨選択・試行錯誤しながら進めていきましょう。

ここで強く思うのは、『こんな状況だからこそ、自社の「強み」を磨こう』ということです。

いまお店にアクセスしてくれているお客様が、なぜ自店に来てくれているのか?なぜ購入してくれるのか?なぜリピートしてくれるのか?
こういったお客様に選ばれる理由をしっかりと分析して、その強みをより磨いて、10年先も選ばれるお店になるために、店舗運営していくことが大事かなと思います。(一方で、小手先のSEO対策はどんどん効果が薄くなるでしょう)
となると、「緊急ではないが重要なこと」がどういったことなのかクリアになり、やるべきことの解像度が上がるのではないでしょうか。

楽天の「配送品質向上制度」とは?「配送認定ラベル」を付与されるには?SEO対策に影響はあるの?

ということで、今回は、「配送品質向上制度」について、紹介しました。この制度については、今後どんどん情報が出てくると思うので、引き続きキャッチアップしていきます。最後までお読みいただきありがとうございました。

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